FAQよくある質問
特許、意匠、商標には法律的な専門用語がつきものです。このFAQでは法律的な専門用語の多用を避け、できるだけ分かりやすく説明しています。
特許についてのご質問
-
01どのようなものが特許の対象になりますか特許
- 基本的に技術的思想の創作(アイデア)が特許の対象となります。アイデアであれば、目に見える物だけでなく、仕組みや方法も特許の対象となります。例えば、コンピューターのプログラムも要件さえ満たせば、特許の対象となります。
ただし、特許権が乱立すると混乱を招くため、特許として登録されるには様々な要件を満たす必要があります。例えば、人の決めたルールや自然法則(潮の満ち引き等)そのものは自然法則を利用していないため、特許の対象となりません。絵画・彫刻やカットボールの投げ方も技術ではないため、特許の対象となりません。また、アイデアであっても簡単に思いつくものは特許の対象となりません。
この他にも様々な要件があり、何が特許の対象になるのかは大変分かりにくいと思いますので、まずは弊所へ遠慮無くお問い合わせください。 -
02特許出願するとどれぐらいの期間で登録されますか?特許
- アイデアを特許庁へ特許出願しても、直ぐには登録されません。特許庁でアイデアが特許として登録されるための要件を満たしているかについて審査を受ける必要があります。ただし、審査は特許出願しても自動的に開始されず、特許庁へ審査を請求する必要があります(審査を請求できるのは特許出願から3年以内です)。そして、特許行政年次報告書によれば、審査を請求してから平均14ヶ月程度で登録されます。したがって、特許出願してから期限ギリギリで審査を請求すると、大体平均で4年と少しで登録されます。
しかしながら、近年の技術の発展のスピードは速く、アイデアが特許として登録されるまで4年以上も待っていたら、アイデアが陳腐化して価値が無くなる可能性があります。そのような事態に陥らないため、特許庁は審査の速度を上げるために様々な早期審査制度を設けています。弊所はこのような早期審査制度を利用した特許の早期登録に多くの経験があります(最短では特許出願してから4ヶ月以内に特許査定を受けた事例があります)。
お客様のビジネスの内容をお聞かせいただければ、どのような方策を採るのが適切であるのかを弊所は提案することができます。 -
03特許出願するとどれぐらいの割合で登録されますか?特許
- アイデアは様々な要件を満たさないと特許として登録されません。要件を満たさないアイデアは特許庁の審査において拒絶されます。そして、拒絶されたアイデアを要件を満たすように修正(補正)することによって初めて登録されるのですが、特許行政年次報告書によれば、審査請求された特許出願のうち74.9%が特許査定を受けています。
なお、アイデアが要件を満たすように修正する際、要件を満たすことを優先するあまり、あまり価値が無いようなアイデアに修正してしまう可能性があります。弊所では、どのようにアイデアを修正すれば、登録される要件を満たしつつ価値を損なわないかをアドバイスすることができます。 -
04特許出願するとどれぐらいの費用がかかりますか?特許
- 特許出願するためにはアイデアの内容を記載した明細書という書類を作成する必要があります。そして、明細書の作成に要する時間はアイデアによって大きく代わり、それに応じて特許出願に要する費用も変わってきます。弊所での特許出願の費用の実績は、特許庁へ納める所定の費用と弁理士費用を合わせて約30万円~約60万円となります。
また、特許出願する前にはアイデアが特許として登録される可能性があるかを任意で調査することができますが、この調査には約10万円かかります。さらに、特許出願したアイデアについて特許庁へ審査を請求すると、約20万円かかります。もし審査においてアイデアが拒絶された場合、アイデアを修正し、要件を満たすことを主張するために意見書・補正書を提出しますが、その費用は約10万円~20万円となります。そして、アイデアが要件を満たして特許査定を受けた場合、アイデアを特許として登録するために、約2万円の費用が必要となり、めでたく特許として登録された場合には、成功報酬として約10~15万円をいただいています。
したがって、アイデアを特許として登録するにはかなりの費用がかかります。一方、費用の一部に関して、特許庁は減免制度を設けています。また、各種団体の助成金を利用することもできます。
弊所では、特許出願の前にご相談いただければ、費用をかけてまで特許出願するべきなのか、また、特許出願するなら、減免制度の利用や助成金の活用を含め、どのように費用を抑えるかについてもアドバイスすることができます。 -
05登録されると特許権はどれぐらいの期間維持することができますか?特許
- アイデアが特許として登録されると、特許出願されてから原則、最大で20年間、特許権を維持することができます。その間、維持するためには毎年、特許料を支払う必要があります。もし、途中で特許権を維持しなくてもよいと考えたら、翌年の特許料を支払わないことにより、特許権を消滅させることができます。
-
06他人の特許権を侵害しているという警告を受けました。どのように対処すればよいですか?特許
- 警告を受けたからと言って直ちに他人の特許権を侵害していることが確定する訳ではありません。アイデアを思いついたとか、発表しただけでは実施行為に当たらないので、他人の特許権を侵害することにはなりません。また、アイデアを実施していても、そのアイデアが他人の特許権の権利範囲に含まれていなければ、やはり他人の特許権を侵害することにはなりません。そして、そもそも他人の特許権が有効でなければ、他人の特許権を侵害するという行為自体が発生しません。
侵害の警告について、以前は、警告を受ける前にもっとソフトな問合せを他人から受けることが多かったのですが、最近では、色々な方が知的財産に関する判決を目にする機会が増えたためか、いきなり特許権を侵害しているという警告を受けることがあります。そのような場合でも、先に述べたように、実は他人の特許権を侵害していないということが多々ありますので、まずは、弊所へご相談ください。
意匠についてのご質問
-
01どのようなものが意匠登録されますか意匠
- 基本的にデザインが意匠登録の対象となります。製品や商品の全体のデザインだけでなく、一部のデザインも意匠登録の対象となります。また、令和2年の意匠法の改正によって、いままで対象となっていなかった画像、建築物や内装も意匠登録の対象となりました。
デザインが意匠登録されるためにも幾つか要件を満たす必要があります。例えば、絵画や彫刻は工業的方法によって量産できないため、意匠登録の対象となりません。また、既に意匠登録されているデザインと同じか類似するものは意匠登録の対象となりません。さらに、既に存在するデザインから簡単に作り出すことができるデザインも意匠登録の対象となりません。
しかしながら、特許ほどは要件が厳しくないので、アイデアを特許として登録できそうにない場合、アイデアを適用した製品のデザインを意匠として登録するのも一つの手です。また、デザインは図面だけでなく現物や写真でも出願することができます。
デザインをどのようにして意匠登録出願するかについて、弊所は適切なアドバイスを行うことができますので、まずはお問い合わせください。 -
02意匠登録出願するとどれぐらいの期間で登録されますか?意匠
- デザインを特許庁へ意匠登録出願しても、直ぐには登録されません。特許庁でデザインが意匠として登録されるための要件を満たしているかについて審査を受ける必要があります。ただし、特許と異なり、審査は自動的に開始されます。そして、特許行政年次報告書によれば、意匠登録出願してから平均7ヶ月程度で登録されます。また、場合によっては審査の速度を上げるための早期審査制度を利用することも可能です。
したがって、デザインはアイデアと比べて大幅に速く登録されます。そこを見越して、アイデアを権利化する際に、特許出願ではなく、敢えてアイデアを適用した製品のデザインの意匠登録出願を選択するのも一つの手です。お客様のビジネスの内容をお聞かせいただければ、どのような出願形態を採るのが適切であるのかを弊所は提案することができます。 -
03意匠登録出願するとどれぐらいの割合で登録されますか?意匠
- デザインも色々な要件を満たさないと意匠として登録されません。要件を満たさないデザインは特許庁の審査において拒絶されます。しかしながら、特許行政年次報告書によれば、2019年には意匠登録出願の件数が31,489件であったのに対して、27,556件のデザインが意匠として登録されています。すなわち、意匠登録出願されたデザインのうち約9割が登録され、デザインはアイデアよりも登録されやすいと言えます。
一方、意匠登録の審査では、特許の審査と異なり、要件を満たすためにデザインを修正することは殆ど認められていません。したがって、意匠登録出願を行う段階でできるだけ要件に見合うように準備することがとても大事です。デザインを拝見させていただければ、どのような準備をすればよいかについて弊所はアドバイスすることができます。 -
04意匠登録出願するとどれぐらいの費用がかかりますか?意匠
- 意匠登録出願するためにはデザインを表す図面(写真や現物)と願書が必要ですが、特許出願のような明細書を作成する必要がありません。したがって、その分、意匠登録出願の費用は特許出願の費用よりも安価です。弊所での意匠登録出願の費用の実績は、特許庁へ納める所定の費用と弁理士費用を合わせて約10万円~約15万円となります。そして、デザインが要件を満たして登録査定を受けた場合、デザインを意匠として登録するために、約2万円の費用が必要ととなり、めでたく意匠として登録された場合には、成功報酬として約5万円をいただいています。
なお、特許出願と異なり、意匠登録出願は特許庁へ審査を請求する必要がないため、その費用が不要であり、また、意匠登録出願を要件が満たされるように正しく行えば、審査において拒絶されることが殆ど無いため、特許出願のように意見書・補正書の提出費用が発生することも殆どありません。実際、弊所が行った意匠登録出願でも審査で拒絶されたものは殆どありません。したがって、デザインを意匠登録出願して登録させる費用は、アイデアを特許出願して登録させる費用よりも遙かに安価です。 -
05意匠登録されると意匠権はどれぐらいの期間維持することができますか?意匠
- デザインが意匠として登録されると、意匠登録出願されてから原則、最大で25年間、意匠権を維持することができます。その間、維持するためには毎年、登録料を支払う必要があります。もし、途中で意匠権を維持しなくてもよいと考えたら、翌年の登録料を支払わないことにより、意匠権を消滅させることができます。
以前は、意匠権を維持することができる期間が意匠登録から最大で20年間だったのですが、法改正により、期間が意匠登録出願から最大で25年間に延びました。これは、特許権と比較すると5年も長くなっています。したがって、権利を維持する期間の観点からも意匠は特許よりも有利です。
商標についてのご質問
-
01どのようなものが商標登録されますか商標
- 基本的には、商品又はサービスを他社の製品やサービスと区別するための文字や図形等が商標として商標登録の対象となります。文字や図形の組み合わせであるロゴマークはもちろん商標登録の対象ですが、その他、記号、立体的形状、色彩も商標登録の対象となっており、法改正によって音も商標登録の対象となりました。
ただし、商標を登録するのは商標を使用する人の業務上の信用を保護するためであり、商標権が乱立すると混乱を招くため、商標が登録されるためにも幾つか要件を満たす必要があります。例えば、既に登録されている商標と同じか類似するものは、ある条件の下では、登録の対象となりません。また、商標を登録出願する際には、それを使用する商品やサービスを指定しないといけません。
どのような商標を登録出願すればよいのか、どのような商品やサービスを指定しなければならないのかは大変分かりにくいと思いますので、まずは弊所へ遠慮無くお問い合わせください。 -
02商標登録出願するとどれぐらいの期間で登録されますか?商標
- 商標を特許庁へ登録出願しても、直ぐには登録されません。特許庁で商標が登録されるための要件を満たしているかについて審査を受ける必要があります。ただし、特許と異なり、審査は自動的に開始されます。そして、特許行政年次報告書によれば、登録出願してから平均11ヶ月程度で登録されます。また、場合によっては審査の速度を上げるための早期審査制度を利用することも可能です。その場合、登録出願してから3ヶ月程度で登録することも可能です。 商標はビジネスで頻繁に使用するものなので、できるだけ早く登録した方が好ましいです。そのために弊所では、早期審査制度の利用をお客様にお薦めしています。
-
03商標登録出願するとどれぐらいの割合で登録されますか?商標
- 商標も色々な要件を満たさないと登録されません。要件を満たさない商標は特許庁の審査において拒絶されます。特許行政年次報告書によれば、2019年には登録出願の件数が190,773件であったのに対して、109,859件の商標が登録されているので、登録出願された商標のうち約6割弱が登録されています。特許や意匠に比べて登録率が低いので、商標は登録されにくいのではと考えられるかもしれませんが、商標はダメ元や悪意をもって出願されることが多く(例えば、一時話題になった「PPAP」もその類いです)、結果として、拒絶される登録出願が多いだけで、正しく準備をして登録出願すれば、余り拒絶されません。
なお、商標が登録される要件の1つに、既に登録されている商標と同じものではなく且つ類似するものではないという要件がありますが、既に登録されている商標と同じか類似するものが存在するか否かの調査は比較的安価に行うことができるため、弊所では、登録出願前の調査をお客様にお薦めしています。 -
04商標登録出願するとどれぐらいの費用がかかりますか?商標
- 登録出願するためには商標を記した願書が必要ですが、特許出願のような明細書を作成する必要がありません。したがって、その分、商標登録出願の費用は特許出願の費用よりも安価です。但し、商標を使用する商品やサービスの数(正確には商品やサービスの区分の数)が増えると、その分、商標登録出願の費用は高くなります。弊所での商標登録出願の費用の実績は、特許庁へ納める所定の費用と弁理士費用を合わせて約4万円~約18万円となります。そして、商標が要件を満たして登録査定を受けた場合、商標を登録するために、約5~20万円の費用が必要となります。また、登録出願前の調査を行う場合、別途、約2~4万円の費用が必要となります。
なお、特許出願と異なり、商標登録出願は特許庁へ審査を請求する必要がないため、その費用が不要です。また、登録出願前の調査を行って既に登録されている商標と同じか類似するものの登録出願を避けるようにすれば、審査において拒絶されることが殆ど無いため、特許出願のように意見書・補正書の提出費用が発生することも殆どありません。 -
05商標登録されると権利はどれぐらいの期間維持することができますか?商標
- 商標権は、商標が登録されてから10年間維持することができます。ただし、特許権や意匠権と異なり、10年毎に登録料を納付すれば、次の10年間も商標権を維持することができます。したがって、商標権を実質永久的に維持することも可能です。